SNSでの炎上やトラブルを防ぎたい!
SNSでの炎上やトラブルを防ぎたい!
社員やその他従業員のSNSの利用に対する対応
SNSでの炎上やトラブルを防ぎたい!企業のご担当者様に向けて、社員やその他従業員のSNSの利用に対する対応をご紹介いたします。
目次
SNSの有用性とリスク
twitterやFacebook、インスタグラム等、SNSはすっかり私たちの生活に浸透し、代表的なコミュニケーションツールの1つとなっています。
企業では、これらのSNSを積極的に活用して、自社の宣伝やマーケティング活動を行い、大きな成果を上げることは重要な目標です。そのため各々の社員や従業員においても、所属する企業名を明示したり、あるいは会社の業務と絡めてSNSを利用することも増えています。
しかし、SNSは大きなリスクやデメリットをはらんでおり、不適切な投稿によって「炎上」してしまったり、第三者とのトラブルに発展したりして、状況によっては会社のイメージや社会的評価に取り返しのつかないダメージを与えることがあります。
社員やその他従業員のSNSを制限したり監視したりすることはできるのか
こうしたリスクにより、会社としては、企業としての投稿はもちろんのこと、各々の社員やその他従業員のSNSの投稿を逐一チェックし、出来れば大幅に制限したいと考える方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、SNSの利用は個人の私生活にも密接に関係していることから、会社がむやみに制限したり過剰にチェックしたりすることはできません。
企業の適正な業務の維持と不当な損害の防止の観点から、合理的な方法や範囲で行う必要があります。
具体的な制限とチェック方法の可否
SNSの全面禁止はNGだが、合理的な範囲での一部禁止はOK
まず、社員やその他従業員のSNS利用を全面禁止することが考えられますが、これは労働者の私生活への不当な介入とみなされ、企業の違法行為と評価される恐れがありますので、行うべきではありません。
企業の宣伝やマーケティングの面からも、戦略を1つ失ってしまうことになりますので、あまり良い方法とは言えないですし、全面的に禁止することは企業による業務の適正の観点から合理性が無いと言えるでしょう。
しかし、企業に対して不当な損害を及ぼす恐れがあるような投稿を禁止することは一定の合理性があるため、許されると考えられます。
具体的には、以下のような投稿の禁止が考えられます。
- 企業の機密情報や顧客情報を漏洩する投稿
- 社員やその他従業員、役員の個人情報を漏洩する投稿
- 著作権や肖像権等、プライバシー権等、第三者の権利を侵害する内容の投稿
- 人種差別的な内容や犯罪行為に関する内容等、社会的に著しく不相当な内容の投稿
- 企業内ないし企業から支給された機器を使用して行う投稿
- 業務時間内に行う投稿
以上のようなものが考えられますが、これらはあくまで一例であり、いかなる場合にもこれで十分というわけでなく、逆に必ず全て必要というものでもありません。
企業の性質や業務内容に応じて適切に定めていくことが重要です。
許可制や届出制も、合理的な範囲のもとであればOK
次に許可制や届出制を取り入れて、事前に会社がチェックする方法が考えられます。こうした許可制や届出制には、仮に無条件に許可や届出を義務付けるとなると、やはり労働者の私生活への不当な介入とみなされるので、行うべきではありません。
許可制や届出制についても、合理的な範囲に限って行うべきですが、例えば以下のような場合が考えられます。
- 企業やその業務内容にかかわる内容の投稿を行う場合
- アカウントのプロフィール欄や投稿内容等において、各々がその会社に所属することを明示する場合
これらの場合は、会社の評価に対して大きな影響が出る場合が考えられるので、事前にこうした制限をかけることも合理性があると考えられます。
制限を設ける場合はルールを明文化することが重要
以上のように、社員やその他従業員のSNSの利用に対しては、合理的な範囲であれば一定の制限やチェックをするルールを設けることは可能ですが、重要なのはこうしたルールをきちんと明文化しておくことです。
具体的には「就業規則」に明記しておくか、あるいは「SNS利用規定」のようなものを作ってすべての社員やその他従業員に周知徹底しておく必要があります。
定期的な指導や研修の実施
SNS利用に関して一定のルールを定めた後も、定期的に指導や研修を行っていくことが必要です。
そうすることによって、社員やその他従業員のネットリテラシーを保つことができるほか、企業内で認識を共有することによって、業務においても、より適切なSNSの活用につながることが期待できるからです。
弁護士への相談も忘れずに
SNSの利用に関するルールの策定は、下手をすれば上記記載の通りに、労働者の私生活への介入とみなされる恐れがあり、またルールが曖昧だったり分かりにくかったりすれば、企業内に無用の混乱をもたらす恐れがあります。
ですので、こうしたルール作りの際は、是非とも弁護士に相談することをお勧めします。
おわりに
いかがでしたでしょうか。
冒頭に書きました通り、SNSは私たちの生活に深く浸透し、企業活動においても決して無視できない存在となっています。
しかし、不適切な投稿をしたばかりに炎上を招いてしまったり、トラブルを招いてしまっては、せっかくのSNS活用も台無しです。
きちんとしたルールを定め、適切なSNS利用のもとでさらなる企業の発展を実現していただきたいと思います。
法律的な問題・疑問をいつでも、どんなことでもお気軽にチャットでご相談頂けます。
リーガルコネクトでは、ご相談頂いた内容に、原則24時間以内にご回答いたします。
関連コラム
契約書で見落としがちな重大ポイント10 契約書を訂正・変更する方法
契約書で見落としがちな重大ポイント9 見落とすと実はマズいかも? 収入印紙の話
契約書で見落としがちな重大ポイント8 契約書は公正証書にすべき? 今さら聞けない公正証書の基本
契約書で見落としがちな重大ポイント7 最大14.6%? 契約における遅延損害金の利率について
契約書で見落としがちな重大ポイント6 連帯保証人と民法改正について
契約書で見落としがちな重大ポイント5 基本契約書と個別契約書
契約書で見落としがちな重大ポイント4 再委託に関する規定
もうすぐ夏休み!会社の休日と休暇の設定、管理は大丈夫ですか?
そろそろ夏の季節!経営者が知っておくべきクールビズと冷房、室温に関する法律
パワハラの定義とは? 新入社員を迎えるにあたって気を付けるべき点
契約書で見落としがちな重大ポイント3 契約書の損害賠償条項
成人年齢が18歳に引き下げられることによる会社への影響と対策
法律的な問題・疑問をいつでも、どんなことでもお気軽にチャットでご相談頂けます。
リーガルコネクトでは、ご相談頂いた内容に、原則24時間以内にご回答いたします。