一家の大黒柱は幻想

一家の大黒柱は幻想

目次

一家の大黒柱は幻想

結婚は成長の証だった・・

私たちの親の代、結婚すると言うことは男にとって一つの成長の証でありました。私の父も24歳で結婚していますが、結婚することにより、それまでの独身貴族とは異なり、一家の大黒柱として、家族を養い、家庭を守り、そのためにどんな我慢でもしなくてはならないという覚悟が生じたそうです。

だからこそ、社会においても、独身者は軽く見られるが、妻帯者は一目置かれるという風潮があったわけです。所詮は自分自身のことしか頭にない独身者は困難に突き当たると簡単に逃げてしまうことができますが、妻帯者は家庭があるから、家族のためにも逃げられない。何とか踏ん張って困難を乗り越えようと我慢してがんばる。だから、男は結婚することで一人前と言われ、社会からも信用されたのです。

生活費を渡してくれない夫

さて、最近、離婚の現場でこんな事案が増えました。夫が結婚してから満足に生活費を渡してくれないというものです。別に時代劇みたいに博打にはまって女房を泣かすとかそいうことではないですよ。聞いてみると、夫はちゃんと仕事もしていますし、若いから高くは無いけどそれなりにきちんとした収入もあるんです。じゃあ、何で生活費を入れないんでしょう。

女房に聞いてみると、夫側の言い分で共通しているのは「やってけてるんだからいいじゃん」と言う言葉です。「やっていけている」理由はいろいろです。それなりに女房に稼ぎがある場合もありますが、女房が専業主婦でも、女房の独身時代からの預貯金に頼ったり、女房の両親の援助に頼ったりなんていう場合もかなりあります。

じゃあ、夫は稼いだお金をどうしているのでしょう。答えは、これも共通しています。独身時代と全く同じように使っているだけのことなのです。つまり、友達と遊びにいったり、自分の趣味に使ったり、旅行にいったり(勿論自分一人で)というように、独身時代と全く変わらない出費をしているわけです。そこには家族を養わなければならないから、好き勝手はもうできないとか、生まれてくる子供のためにお金を貯めなくちゃとか、いずれは家を買わなくちゃ、、、、なんて展望はまるでありません。その日その日を気楽に楽しく独身時代と同じようにくらしているだけなのです。

しかも、困ったことにギャンブルや女につぎ込んだ訳でもないから当人には罪の意識さえない。ひどいのになると、文句を言った女房を逆恨みして、あいつはお金のことばかりしか言わないからいやだといって実家に帰っちゃった夫もいます。またそれをかわいそうだと言って受け入れる親まで出てくる始末、、、、。

社会の方でもこういう風潮は直感で理解しているように思います。だから、今では妻帯者だと言っても別に世間で一目置かれることもない。妻帯者であるから踏ん張るがんばる、責任感が強いというようなことがないから、妻帯者であることが何の担保にもならないわけです。ああ、結婚するに臨んで、今日からは自分も一家の大黒柱だと言って、ほおを紅潮させていた若い男達はどこにいったんでしょうか、、、、。