妻以外の人を好きになってしまったら

妻以外の人を好きになってしまったら

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妻以外の人を好きになってしまったら

離婚原因で圧倒的に多いのは、まだまだ男性側の不貞行為です。しかし、誰と結婚しても、何度でも、これを病的に繰り返す人ならともかく、普通は冷静に考えれば、夫が妻以外の女性に心を動かされるということは夫婦仲もほめられたものではなかったのではないでしょうか。

50歳の男性の事案でしたが、3年ほ前からもう妻とは口も聞いておらず、要件は子供を通して伝えるような状況で、ここ1年は単身赴任していたのですが、赴任先に妻が訪ねて来てくれることもなく、たまに帰ってもいい顔もされないので、旅費を使うのももったいなくなり、ここ半年ほど帰っていませんでした。

このような状況が続いたので、つくづく、妻と今後も夫婦でいることは無理だと思うようになり、漠然と離婚を考えるようになっていました。そんな中、3ヶ月ほど前、単身赴任先で知り合った女性と深い関係になってしまい、この女性に夢中になり、いよいよ、妻とは別れてやり直したいと思い始めました。そこで、意を決して、妻に離婚を申し出たのですが、黙って妻から渡されたのは、意中の女性と一緒にいるところをとられた写真の束でした。妻の方は帰ってこなくなった半年前あたりから、夫の行状に不信感を抱いており、思い切ってこの1ヶ月ほど素行調査をかけていたのでした。

事を起こす前に、夫婦で離婚の話し合いを。

あわてた男性は、これは半年前には既に破綻していた夫婦関係の後始末の問題で、この女性の事は関係ないと抗弁しましたが、妻は全く相手にしてくれず、困り果てて当事務所に相談に見えまました。冒頭に述べたように、確かに夫婦仲はほめられたものではなかったかも知れません。

しかし、恋人どおしならともかく、夫婦というのは社会の一単位として、法が認めた絆であり、互いに貞操義務を持つことが法で定められている関係です。双方で離婚訴訟を提訴しあっているような、はっきりと破綻がわかる客観的な事情が起きていればともかく、口をきかなくなっていた位では、とてもとても「破綻」していたとは認めてもらえません。

こういった諸事情と不貞行為の差はそれこと竹槍と原子爆弾くらいの差があると思ってください。結局、この事案では、相手の強力な武器の前に、なすすべもなく、何とか交渉の末、離婚自体は妻も納得してくれたため、妻には今後5年間(これは子供が巣立つ年限から考えました)、夫名義の家屋に居住する権利を認め、養育費の支払いととともに、自宅のローン代金相当分+アルファ(総額で500万円くらいになりました)を解決金として払うこととし、5年たったら、家屋を売却し、そこから妻にさらに1000万円を渡すということで合意しました。

財産分与の権利が妻にはありますので、全てが慰謝料というわけではありませんが、かなり高額になった事は確かです。教訓ですが、他に好きな人が出来た場合には、事を起こす前に、まずきちんと本来の妻との不仲を理由に、離婚の話し合いを何度も持って行くことが大切です。でないと、全てが不貞行為のせいにされてしまいますよ。