不審な遺言書の無効が認められ、相続人が平等に遺産を受け取ることができた事例

不審な遺言書の無効が認められ、相続人が平等に遺産を受け取ることができた事例

性別:女性
年齢:30代
職業:会社員
結婚歴:10年
子供:1人

目次

事案内容

事案の概要

母親が死亡し(父は既に死亡)、長男、長女、次女の3人が相続人となりました。

母親が死亡してまもなく、長男が母親の自筆証書遺言があるとして、裁判所に遺言書検認の申立をしてきました。

期日に裁判所に行ってみて、母の遺言とされたものを見た長女と次女は、母の筆跡と全く異なるため驚きました。内容に関して、長男が全ての遺産を相続するというものでしたが、母は生前そのような事を言った事実は無く、むしろ全ての遺産は平等に兄弟仲良くと言っていたので、2人とも驚き、当事務所に相談に見えました。

解決ストーリー

お話をよくうかがったところ、次のような事が判明しました。

  • 母は痴呆症が進み、徘徊を始めていた。
  • 安全を考慮し、兄弟3人でローテーションを組んで、泊まり込みで世話をしていた。
    遺言が書かれた日は長男が担当の日であった。
  • 押されている印鑑は、実印では無かった。
    長男はもともと強引な事をする人であったので、危険を感じ、姉妹で相談して、長女が実印を、次女が印鑑登録カードを預かっていた。

以上の状況からみて、遺言書は母の意思に基づくものではなく、長男が偽造したという可能性が高くなりました。

結果

3人兄弟が仲良く平等な相続を実現しました。

解決期間

約3年

解決ポイント

当方から遺言無効確認の訴えを提起したところ、長男も非を認めましたので、今後の遺産分割手続きでは、この遺言書を故人の遺志として認めない、と言う確認的な和解をし、最終的には遺産分割手続きの中で、3人平等に遺産を分配して終了しました。

弁護士からのアドバイス

こんな遺言を遺すはずが無い、と言っているだけでは、話を進めることはなかなかできません。遺言の効力を否定し、あるべき遺産分割に戻す事が必要ですが、なぜ遺言が無効なのか、と言う立証責任は遺言の無効を主張するほうにかぶってきます。

ここでは、故人の意思能力がないことを立証することを目標にして、証拠集め等の指導をして、立証活動を遂行できたことが勝因でした。