離婚問題のよくある質問

【離婚Q&A】内縁関係の場合はどうなるの?

内縁関係に関して、よくあるご質問をご紹介いたします。

  • 事実婚でも、財産分与や慰謝料を請求できますか?

    私には10年ほど一緒に生活している男性がいました。お互い、事実上夫婦のように生活して来ましたが、籍は入れていませんでした。
    しかし、最近、相手に他に好きな人ができ、家を出ていってしまいました。私は専業主婦をしていたのでお金もなく途方に暮れています。
    私のような事実婚でも、財産分与や慰謝料を相手に請求できますか?やはり、ちゃんとした法律上の夫婦でないと、無理でしょうか?


    請求できます

    ライフスタイルの多様化が進む今日、籍を入れない事実婚のかたちを選択される方はとても増えてきています。法的にはそのようないわゆる事実婚の関係を「内縁」と言いますが、そのような場合にも、法律上の夫婦と同様の婚姻の本質的義務について定めた民法752条(夫婦の扶養義務)は準用されます。
    したがって、婚姻費用や財産分与、浮気された場合の慰謝料請求は事実婚の場合でも可能となります。

  • どれぐらい一緒にいれば内縁関係と認められますか?

    内縁関係が認められれば、婚姻費用や財産分与、慰謝料等が認められると聞いたのですが、どれくらい一緒にいればただの同居人ではなく内縁関係にあると認められるのでしょうか?


    2、3年が目安とも言われますが、ケースバイケースです。

    内縁関係の判断は、「婚姻意思」と「夫婦共同生活の実体があるかどうか」という観点から判断されます。
    「婚姻意思」は、社会上の夫婦になる意思があることが必要となります。たとえば住民票で同一世帯になっていたり、ある程度の期間共同生活が継続していると婚姻意思があると認められやすいです。
    「共同生活実体」は、継続的な同居関係が基本ですが、継続的な同居がない場合でも長期の通い婚状態などがあるなどの事情から認められる場合があります。
    多様なライフスタイルが見られる現代ですので、一概にこれなら内縁関係ありというのは難しく、結局裁判所がケースバイケースで判断することとなります。

  • 内縁の妻にも相続権はありますか?

    事実婚の夫と生活をともにして20年、夫が不慮の事故で他界してしまいました。夫には父母兄弟、子もおらず私と二人で生きてきたのですが、夫の財産を私は相続できますか?


    内縁の場合、相続権はありません。しかし、財産を取得できる可能性はあります。

    相続制度は法律婚を前提とした制度のため、内縁関係にある者の場合には準用は認められないものとされています。もっとも、亡くなった方に相続人が存在しない場合には、特別縁故者として相続を受けることができる可能性があります。
    また、相続人がいる場合であっても、特定の財産につき自分と内縁の夫が共同して作り上げたとして共有関係を主張したりすることで財産を取得できる場合があります。

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