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弁護士法人淡路町ドリーム

近隣トラブル ~特に一戸建ての対策~(建築・不動産)

近隣トラブル ~特に一戸建ての対策~

基礎理論編

開催日時

平成26年12月11日(木)

建物の離れの問題

条文の理解と、よくあるケース

旧来の家の隣に新家を建築したところ次のようなやり取りをしている方々が……。「境界から40センチしか離れてないじゃない」「お宅だって30センチしか離れてませんよ」。離れの問題で非常によくあるパターンです。


問題となる条文
民法234条1項
建物を築造するには、境界線から50センチメートル以上の距離を保たなければならない。

近隣トラブルについての民法の規定は相隣関係と言います。第209条から238条までに規定されていますが、解釈は様々です。そのため、立法の目的を考えた上で、境界から建物のどこまでが50センチあればいいのかを考えるしかありません。30条程度の条文で世間の近隣トラブル全てを調整しようとする近隣トラブルの難しさは、この解釈の幅広さにあります。

そもそも、建物ってどこから?

条文上は「建物」としか書いていませんがデザインは多種多様であり、離れの問題を一様に扱うのは困難です。
これを考えるヒントが建築基準法65条です。そこには防火地域または準防火地域にある建築物については、外壁が耐火構造であれば、外壁を境界線に接して設けることができるとされています。良好な住環境の保護という前提に加えて、防災上の問題が無ければ、くっつけて建ててもいいと言うことなのです。
ここから、50センチ離す理由は災害時の避難経路の確保が実は大切なのではないかという予測を立てられます。いくつか例を挙げると、以下のようになります。

  • 出窓:人が通れるように、出窓の縁で50センチを計測。
  • 軒や庇:下を通れるので建物に含まない。
  • クーラーの室外機:飛び越えられるか、動かせるか、という点で判断。
  • 物置:ブロックの上に乗っているようなものは可動性があるので建物に含まない。足を打ち付けて、基礎に突っ込むタイプは、物置と言えどもNG。

表題にある事案

では、冒頭に挙げた40センチしか離さないで建ててしまったことを、30センチしか離していない隣家から文句言われる筋合いはないように思えるのだがという問題はどうでしょうか。防災上の考え方となると境界を広げなければならないという判断が表れるでしょう。

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民法は、自分が法を犯しておいて人を論難する事はアンフェアである(信義則)という考え方があり、実際に、元々の隣地の方から、新しい家の方への請求は通らなかった裁判例があります。
しかし、上記のように、防災上の視点から見たときに、どうしても危険性が高く、最低でも確保しなければいけない空間の必要性が高いような場合には、違った視点が働く可能性はあるでしょう。たとえば、新しい家は10センチの離れで建てようとしているような場合です。この場合には、古い方の家は30センチしか離れていなくても、さすがに、それでは近づきすぎだと言える可能性も出てくると思います。もちろん、その地域の防災上の特殊性もありますので、断定はできないことを御了承ください。

境界を観望できる窓の目隠しの問題

条文の理解と、よくあるケース

まず、条文上の理解をしましょう。


民法第235条
境界線から1メートル未満の距離において、他人の徳地を見通すことのできる窓または縁側を設ける者は目隠しをつけなければならない。


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目隠しに関しては離れと同じで、目隠しを付けろと隣地は言ってるけど、隣地の窓だって境界から1メートル離れていないぞ、というような問題が頻出します。実際の裁判では、後から建てた人が目隠しをつけろと命じられたあと、先に立っている隣地に目隠しを求めて訴え、勝った事例があります。

もうひとつの例

ベランダが隣地から70センチ程度張り出している事案で、隣地から目隠しをつけてくれとの要望がきました。ところが相手の家が北側なため、こちらで目隠しをつけると、北側斜線に引っかかってしまい、つけられないのです。目隠しは付けなきゃいけない、北側斜線は守れ、これは困った。考え抜いた結果、ベランダの幅が広かったので、端まで行けないように手すり付けることにしました。


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この場合、この対応で法的には大丈夫なんでしょうか。調べましたが、まだ判例はありません。ただ、命がけで手すり乗り越えてまで隣覗く人はいないと思うので、大丈夫なのではないかと思っています。

隣地からの越境物の問題

条文の理解と、よくあるケース

隣の家の木の枝が境界を越えてこちらの敷地に入ってきている。落ち葉は落ちるし、枝が日を隠すし困り果ててる。根も侵入してきていて、こちらの植物が枯れかかっている。さて、切ってもいいのでしょうかという問題です。


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問題となる民法の条文
民法233条
1項 隣地の竹木の枝が境界線を越えるときは、その竹木の所有者にその枝を切除させることができる。
2項 陳値の竹木の根が今日か支援を超えるときは、その根を切り取ることができる。

根は勝手に切っていいけれど、枝は向こうに切らせないといけないという話です。理由は簡単で、根の生えていく力がすごいからです。竹や桜の木の場合、こちら側の植物は全部ダメになってしまいます。
しかし、枝もかなり困ります。以前、老朽化のため家を立て直そうとして、足場を組もうとしたところ、隣家の大木の枝が侵入していて足場を組めない事案がありました。隣家を訪問しても対応してくれず、費用もこちらで持つというのに同意が得られず……いつまで経っても工事が出来ない。結局この案件は裁判所に仮処分の申し立てをして、最終的には解決したのですが大変な目に遭いました。でも、やり方としてはこれしかないんです。

建物の越境の問題

建物そのものの越境の場合はどうでしょう。越境物の中でも一番やっかいなのは家です。もちろん越境物の除去を要求できますが、そんなことすれば、日本中の家みんなあっちこっちで取り壊しが始まり、膨大な社会損失に繋がります。

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肝心なことは、できるだけ裁判所の土俵に乗せることです。具体的には、撤去せよという仮処分を申し立てます。越境していると分かってくれれば、裁判所は申立を受理して、相手方を呼び出してくれます。その場で、和解をすればいいのです。いくつか方法があるので、以下に示しておきます。

  • 今壊すのは非現実的なので、今度建て直す時、ここのところから後退して建てますという約束を交わす(取り壊しが何年も先の場合でも、途中でうやむやにならないように、裁判の土俵に乗せて、裁判上の和解調書を作っておく必要がある)
  • その建物が建っているこちらの底地の部分を分筆して向こうに売却する(ただし、離れの問題も出てきますので、土地に充分ゆとりがある場合に限られる)

現場編

不動産仕入れ、建築段階での注意事項

ここでは、不動産建築業者として、こういった問題に関わった場合の、考え方、気をつけなければならない点、処理の仕方などを時系列順に考えていきましょう。

建築前のトラブル

建築計画を話した途端に近隣と揉め始めて、なかなか建築に着手できないことがあります。速やかに工事を進めるためにも、また後日の争いの芽を摘んでおくためにも、この段階で、できれば解決できるのがベストです。

建築後のトラブル

建物ができあがった場合、民法の条文上、相隣関係に触れる部分が出てきたとしても(50センチ以上離れていなかった等)相手も取り壊しを要求することはできません。しかし、ユーザーに売却する段階で以下のトラブルが想定されされます。

  • こちらに落ち度がある場合、建築の瑕疵として値引きの対象になる。
  • 問題の解決ができずに引っ張ることによって金利被害を日々被ってしまう。
  • 家はできているのに何で売ってないのだろう、という風評被害が生じる。
  • 日にちが経ちすぎて「新築」という評価ができなくなってしまう。

上記は一例に過ぎませんが、こうならないようにも事前に法に触れないか確認するのはもちろんのこと、近隣住人とのトラブルを避けられるように対策したいものです。

売却後発覚した問題によるトラブル

問題があることに気づかず、売買契約を結び、登記も引き渡しも終了。買い主が住み始めて、初めて、隣の人から「目隠しつけて」と求められたような事態を考えて下さい。人が住んで、初めて気配を感じることはありますし、たまたま隣の人が海外に行っていたなんて場合もあり、それほど珍しい案件でもないのです。
もし、売買契約後決済前であれば、決済までの間に解決の道をさぐることになります。間に合わなければ、決済を延期してもらうしかありません。なんとか、こちらが当事者のうちに事を解決するべく努力すべきです。
なぜなら、不動産の所有権が完全にユーザーに移ってしまい、当事者は新所有者であるユーザーになってしまうからです。近隣トラブルという深刻な問題をお客様に背負わせるなんて事態はなんとしても避けたいものです。
ただし、決済を延期したとしても、近隣とのトラブルを解決できなければ、債務不履行で、決済不能と言う事になる可能性が高くなります。こうなってくると違約金の話も出てきますから、違約金をユーザーに払うか、近隣にお金を払って、解決するか、の選択になります。どこで損失するかの差であり、損失は避けられないことになります。
売却後発生したトラブルについては、建築の瑕疵の問題になりますから、さらに事態は深刻になります。とりわけ、ユーザーにとっては、隣地からは文句を言われる、建築会社にも、瑕疵の請求をしたい、と相手方は2カ所になり、相当ストレスになってしまいます。事態が後を引くほど当事者も増え、解決が難しくなるということになります。したがってトラブルには早期の解決を図ることが肝要なのです。

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